―大ホール―
[席についても、椅子から浮いた足をぶらぶらさせてみたり、フォークを持ったり置いたりを繰り返したりと、どうにも落ち着かない。
何度も食べ物を口に運ぼうとしたけれど結局食欲が湧かず、コップの水をちびちびと飲むに留めた。]
[死んだ。人が。今。
吸血鬼はきっと、この屋敷の中に居るのだろう。どこかに隠れているのか、それとも……。]
[それとも、この中の、誰かが……?]
[そう考えて身震いする。そんなわけない。みんな良い人だった。まだ何人か、ちゃんと喋ってない人も居るけど、きっと、みんな良い人だ。
そんなはず無い。そんなはず……。]
[信じたい人達を信じてはいけないのかも知れないことが、今更ながら、…の背筋を冷たくした。]
あ……ペラジーお姉さん。
[そこで、大ホールにやってきた新たな人影>>35、それが見覚えのある人物であることに気づく。
その視線は「信じていいの?」と、縋っているようでもあった。]
(38) 2014/11/07(Fri) 00時頃