……でも、俺がもうちょっと気持ちを向けていたら、ひょっとしたら彼女は道を踏み誤らなかったんじゃないかなって思えるようになった。
[回想はこれでお終い。
映画のエンドロールのように、過去の物語に決着をつけるべくキッパリと言い切ると、タツミのついでくれたビールをありがとうと上げて飲み干し、晴れ晴れと笑った。]
今は勿論幸せだよ。こんな重たい話を聞いてくれる優しいタツくんと出会えたから。……ところでさあ。
[突然声を潜めてじりじりにじり寄ると、チェシャ猫のようなニヤニヤ笑いを浮かべて囁いた。]
タツくん、キョウスケくんと二人きりで、アパートの皆には言えないような、ないちょのおはなちしてたんだってね?何かすっげぇ楽しそう。そんときのこと、聞いてもいい?
[令の話>>2をちょっとだけ大げさに膨らまして、適当な内容をでっち上げる。実際は二人の関係がどうなっているのか、現時点では全く知る由もない訳だが、タツミには一体どう聞こえただろうか?
そんなこんなで酒盛りは続く。*]
(38) 蕎麦 2019/05/01(Wed) 20時半頃