[あのフィリップがミームにお礼を言った。明日は嵐か。ちょっと、本当になりそうで嫌だ。
なんて軽口を叩く余裕はない。
相変わらず薬草娘呼ばわりだけど、ミームだってまともに名前を覚えていないのだから、そこはおあいこである。
オスカーが離脱するのを視界の端に捉えるが、顔を向けることはしない。魔物から目をそらすことはできない。一瞬たりとも油断はできない]
勝算はあるのですか。
[杖を振るう。フィリップの背中に向けて放つのは、お馴染みの敏捷性アップの魔法だ。しかしフィリップの剣は折れている]
剣の補強程度ならできるのです。
[しかし剣が折れたということは、リーチが変わるということだ。
加えて、ミームの補強の魔法に、魔法剣を重ね掛けすることができるのか、よくわからない。
打つ手はあるのか問いかける。
ないなら、増援が来るまで、時間を稼ぐしかない。杖を手にしたまま、懐のナイフの位置を確認した**]
(37) 2015/04/24(Fri) 18時半頃