――――……あ、 ゆた にぃ?[此処ではない“いつか”を視ていた瞳が、『回線』を通して伝わる声を拾った事で現に戻る。気付けば心臓は走った後のように忙しなく脈打ち、そのくせいつも冷えている指先は一層冷たくて、片手に持ったグラスの冷たさなんて感じなかった。] (……だいじょうぶ、ゆた兄はいきてる。)[忘れていた呼吸を、息を、そっと吐き出して。『回線』と周りの声に耳を傾けながら、混乱する周りに紛れるように静かに、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。]
(37) 2015/01/20(Tue) 02時頃