ピエロ……ああ、そうか、ピエロか。
一瞬、真剣に何だと思ったが、そうか……彼か。
此処に居るという事は、彼も容疑者なのだろうね。
[ソフィアの言葉に我に返る。
カメレオンぽい影がピエロだと気付けば、その正体にも思い当たるから。
そして、昨夜は何事も無く過ごせたという彼女らの回答に、少し考え]
今後も、何事もなければそれに越したことは無いが。
……だが、もし、自身に異変を感じたら、どうすれば良いのだろうな?
ミセス・エマに訴えれば、何か対処してくれるのだろうか。
[もっとも、異変を感じた者が訴え出るとは考えづらいが。
村の者達は、容疑者を此処に隔離して、感染者が消えるのを待っているだけだろう。中でどんな惨劇や悲劇が幕を上げても、観客になる気さえない──ならば自分達の手でどうにかしなければ。
だが、具体的にどうすればよいのだろうか。
そこまで考え、血生臭い結論にしか至りそうに無い事を悟り、口を噤んだ]
(37) 2010/05/15(Sat) 01時頃