…起きられるかい、メアリアくん
[とんとん、と軽く肩を叩いてみる。起きていれば歩けるかどうかを聞いて、無理そうなら、もしくは起きていないなら今度は膝裏に手を差し込んで抱え上げる。サンはメアリアの腹部へ移動させるつもり。]
連れてきてしまってごめんね
君もオスカーと一緒にいたかったかもしれないのに
[小さな声で話しかけるが、聞こえているかどうか定かではない。返事も別に求めていなかった。もしも責められれば、反論もせず静かに聞いただろうが。]
[置いて来れば良かったのに、と頭の中で誰かが言う。彼女の望み通り一緒にいさせてやれば良かったのだ。
自軍の者ではないのだから、もしもいなくなったとしても誰もお前を責めやしないだろうにと。]
−−今ならきっと、造作もなく殺せるだろうに
[軍人失格だと自嘲する。
学生服でもブレザーでも無い彼女。こんな時でなければ一般人だと判断したかもしれないが、黒軍が侵攻し廊下は悲惨な有様である。そんなところを軍人でもない人間がどうやって掻い潜れたと言うのだろう。
白でも黒でもないならば恐らく。考えながら、また一つ角を曲がった。]
(37) 2014/07/24(Thu) 04時半頃