[警察の人から、全ての事情を聞かされる。
事故車の中から、本来あるはずのあたしの死体が発見されなかったこと、
遠くの地方に住む生咲家の親戚があたしの存在を覚えていて、捜索願を出したこと、
先生はあたしを拾ったことを、警察や病院にすら言っていなかったこと。
それら全てがあったおかげで。
先生には、女児誘拐の罪が成立するという。
さらに、アパートの部屋の捜査の結果、あたしが性的暴行を受けていた証拠も発見されたらしく。
先生の罪は厚みを増していき、それと共に、あたしが何をされていたかを知られてしまう。
――あたし、誘拐されてたんだ?
駅の掲示板などに張り出されていた、尋ね人の掲示板に、幼いあたしの写真があったなんて、気付かなかった。>>0:4
今までが幸せだった。
高校に上がって、性的暴行を受けるようになっても、地獄の中でまだ生きていられた。
だから、そんな実感は無かった。あたしが被害者だったなんて。]
(36) 2015/07/12(Sun) 03時半頃