……なるほどな
[血の跡だけが残った手で頬杖を付きながら彼の半生>>32>>33>>34を聞いた吸血鬼は暫し沈黙した後にそう呟いた]
お前も随分と災難だったな
もしお前のお袋さんがいなかったら今まで生きてこれなかっただろう。…良い母親を持ったな、キルロイ
[たった百数年。それでも置かれてきた環境に吸血鬼が寄せたのは憐れみでも同情でもない。どちらかと言えば”共感”であった]
俺はお前のお袋さん。結構好きだぜ?
お前のお袋さんがやったのは”乞食”なんかじゃない。お前を想って、彼女なりに母親として闘った立派な行為だと思っている。だから俺は敬意を表したい
……言ってなかったかもしれないが、俺が乞食染みた行為を嫌うのは単純に”自分の利益しか考えてないから”だ。
俺が吸血鬼の王となってからこの魔力と慈悲を貰おうと大量の下級吸血鬼や食屍鬼が俺の所に押し寄せるようになった
…笑えないか?自分で掴む努力もしない、人間から見れば超常的な悪魔が無様に乞うてーーーー
(36) 2015/08/05(Wed) 20時半頃