―晴井の部屋にて―
[少し休憩だとばかりに、小部屋に座り込む。
思い出すのは、先ほどの衝動。
あの青髪が…來島があの場にいなかった事に、何故あんなにも焦燥を感じたのだろうか。
どこか懐かしい、あの焦燥は…淡く浮かんだ考えを否定するように、小さく首を振り。
代わりに考えるのは、彼のこと。]
[思い出してみるに、來島は新歓当初から変わった学生だった。
…いや、変わったというには言い過ぎか。
しかし、良くも悪くも超研に相応しい人物であるというのは間違いないだろう。]
ふふ、新歓の肝試しでさ
その時も、來島くんに驚かされて倒れた君の面倒をみてたんだっけ
少し前のことなのに、なんだか懐かしいや
[眠る晴井の顔を見て、思い出せばつい独り言と笑みがもれる。
新歓行事の一つ、大学から少し離れた山での肝試し。
自殺の名所といわれるそこでの肝試しは、かなり本格的なものであり、一応上級生は脅かす側なのだが、それすら怖がる学生も少なくない。
そういう意味で、超研の第一の振い落しと言ってもいいかもしれない。]
(36) 2015/07/08(Wed) 21時頃