―廊下窓側>>32―
[ケイイチの心地よさそうな声に心臓が益々早鐘を打つ。]
ここ…?
[そう尋ねるには拙くも、先程高められた熱が滲む。
明之進が手で包んで教えてくれた通り、力を入れすぎないようにゆっくりと、丁度、同じように触れている彼と左右対称になるような形か。]
…、――ばかに、するな、平気だ。
ちゃんと、助けるから、…待ってろ。
[む、と眉を寄せて確りとした表情を作って見せたつもり。
――そう、助けるため。
声に出さず繰り返しながら、ハーフパンツにおずおずと手をかけるが、下げるのは明之進の方が早いか。>>26
生々しく脈打つ雄が目の前に圧をもってそそり立つ。
ぎょっとして眼を瞠ったが、同時に籠っていた匂いさえ甘美に感じ、こくん、と喉を鳴らした。
一瞬後にそれを自覚し、胸の内を冷やし首を横に振る。
――違う、俺は、そんなんじゃ、ない。]
(36) 2018/02/23(Fri) 10時半頃