[プレートを持って座る席を探して目を凝らせば、セシルがいた。
同じ機械化生の彼は、どうやら一人で食べているらしい。
美味そうに食べる姿を見て、フルートを吹いている姿を思い出した。]
ここ、座るぞ。
[許可を取るのではなく、決定事項として告げて座る。
美味そうに食べていたセシルとは違い、黍炉は食べ飽きた朝食を無言で口に運ぶ。
生体活動を維持するためのエネルギーとして食べねばならないのだから仕方がなく。]
どうせならばもっと美味い物を食べたいと思わないのか?
[セルフサービスのコーヒーを飲みながら余韻に浸るセシルにそう問う。
セシルとは機械化生として知り合ったが、その彼の過去についてはまだ知らず。
黍炉が知っているのは、ただただフルートが好きなセシルのみで、そう言えば何故フルートに固執しているのかも知らなかった。*]
(36) 2016/05/07(Sat) 13時半頃