まぁ、此処でも昼からワインは飲めなかねえが…な。
[ワイン好きの”同僚”から勧められたイタリアンワインを、こっそりウェルチのペットボトルに忍ばせて来た。日本の不当に高い値段にさえ目を瞑れば、あのジジイの舌利きは悪くない。
…が。]
あの人元気だよなー …マジで…。
[自分より若いだろう人物と、仲良く連れ立っているのを良く…非常に良く見かける。人の趣味に文句を付ける心算はないが、なんとなく気付かないフリを続けていた。
そしてその甥がアレだというのだから、元気なのはある意味血筋なのかもしれない。
揺らめく赤い芳香を喉に落として、風情もクソも無い容器の淵に付いた残照をぺろりと舐める。
自分がこの街に居るのが、ばかばかしくなる位の平和ボケした毎日に、あくびをしながら木立の隙間から差す太陽を仰ぎ見て。
無骨なブーツの踵を、滑らかな芝生に放り出した]
(36) 2014/12/04(Thu) 08時半頃