……ああ。それなら、いたが……そうか。近くに、いたのか。[講師の返事を聞くと、得心したように頷いた。瑠璃と遭遇した際に響いてきたのを聞いた、幾つかの音。恐らくはあの中に彼が在ったのだろうと思った]……、[彼がホリーに問いかけを、提案をするのを、男は傍らで見、聞いていた。ぎし、と、軋んだような音が漆黒から零れる。いつでも攻撃に転じられるように構えながら、男はその動向を窺った。どうするべきか。己がこれから取るべき行動を、見極めるために][何処からか、音色が聞こえたような気がした。 己の記憶を何か引き出すような、 懐かしいような、音が**]
(35) 2012/08/10(Fri) 04時半頃