[ 母は、少女のような笑顔で嬉しそうにそう言いました。生まれたばかりの私の笑顔を初めて見た時、そう思ったんだと。
この子の笑顔は人を幸せにするから、いつだって太陽みたいに輝いて、皆を照らし導く、愛される、ひまわりのような笑顔の女の子。これが私の名前の由来でございました。少女漫画のような名前だと、馬鹿にされた事もありましたけれど、昔まだ私が小さい時、幼馴染が「にあってるんじゃない?」と言ってくれた事があります。
あの頃、私はまだあなたの事がそういう意味で好きではありませんでしたが、それでもとても嬉しく思ったことを、覚えています。
母が望んだように、私は笑顔が自慢の子になりました。けれど、笑顔でいるからといって、私がひまわりになれるという訳ではありません。
愛を知らないひまわりの花は、他人への愛の与え方も、わかっていないのです。]
(35) 2015/11/05(Thu) 06時頃