……仕方ねえなあ。
[面倒くさそうな顔をしながらも、何だかんだで面倒見はいいのだ。けんけんしているミームに近付くと、わしゃわしゃとその頭を撫でてやる。
あれだけ人と触れ合うことを怖がっていたドナルドも、ミームに“だけ”は普通に接せられるようになっていた。
訓練を積んで“体質”の制御に自信を得た証かもしれない。
もっとも手袋をした状態で、という限定的な条件下ではあったが]
はいはい、そこまで。
ミームはそうカッカしないの。可愛い顔が台無しだぞ。
[保護者然として、なだめるようにミームの顔を覗き込む。
改めてオスカーの方に向き直ると]
オスカーも、うちのミームを煽らないの。
ちょっと分かっててやってるでしょ。キミ。
[にぃ、と笑ってみせた。聡いオスカーのことだ。
このやりとりを敢えて楽しんでいるのは分かるのだが。
勇者様、勇者様と白熱して声を荒げるミームを見て。これ以上、気恥ずかしい思いをするのは御免なのだった**]
(35) 2015/04/21(Tue) 19時頃