[白紙の進路相談表を提出すれば、担任の教師は酷く深いため息をつく。
またか
いつになったら
もうお前だけだぞ
これ以上困らせないでくれ
そう言われても思いつかない物は思いつかぬまま、結局自分はまた、この紙片を白いまま提出してしまうのだろう。
成績は悪い方じゃない。
数学は少し苦手だけれど、その他の教科はまあまあ。
記憶力だけはやたら良くて、そう言った方面の教科は点数も良い方なのだと思う。
高校三年生の夏を過ぎてもやりたい事は一つも見つからぬいまま、皆がメインや仮の進路を上げていく中自分だけ取り残されて。
適当な大学でも指名すればいい物を、自分は頑固にそれを拒否し続ける。
提出を催促されて拒否して、冷ややかな顔をされても日課のように図書館に通い続けた。
そろそろ禁止令を出されそうだが、
そこだけが唯一、心の落ち着く場所だった。]
(35) mzsn 2014/11/24(Mon) 03時半頃