[張り詰めた場の空気を掻き混ぜる高い声。>>2:294 無抵抗を示して挙げた指先が宙を掻き、己の手元と彼の手元を見比べる。お互いの十指を隠す高潔な色。] あ、ああ……、これはね、 遠くからでも合図が見えるように嵌めているんだよ。 『 安全確認よし、出発進行 』 ――― こんなふうに。[拍子抜けたのは此方も同じで返したのは車掌としての顔。 小さな鉄道愛好家に見せるのは人差し指を立てる喚呼。 流石に信号機までは展示していないので、代わりに車窓から天を指した。流星が始まる放射点を。]
(33) 2019/08/01(Thu) 01時頃