朱美ちゃん、……
[大丈夫だよ、って、誰かが繰り返してた言葉が口から出そうになってしまって。
安心させるみたいに、朱美の背を撫でたかった、はず、なのだけど。
いつか、しずくに触れようとした時によく似て、その手は宙を彷徨って、落ちた。>>0:322>>0:323
どうしよう、と思って、結局、お化け屋敷の前でそうしたみたいに小さく服の裾を引く。]
……待ってて、
けいちゃんと、ひなちゃん、連れてくる。
他の、みんなも。
教室、みんなで、集まんなくちゃ。
[その言葉は、何かの埋め合わせのようだった。
そうだよね、それが一番なんだよね?と、問いかけるように那由多を見る。
彼は、どんな表情をしていただろう。
秋野は、立ち上がる。
床がスポンジで出来てるのかと思うぐらいに、足元がとても頼りなかったけど。
探しにいかなくちゃ、って、それだけを思って、足を動かした。*]
(32) 2015/06/26(Fri) 13時頃