ー昨日/ドロシー令嬢の部屋ー
は、はい……ありがとうございます……。
[リッカ・ヘンダーソンの人生において、のぞき込んだ瞳を自分から逸らした経験などほぼ皆無に等しい。
それが何故か今日になって立て続けに二連続である。これはいったいどうしたことか。
先ほど部屋に入ってきたときの鋭い視線はどこへやら。きらきらと少年のような瞳で熱弁する青年>>231を目の前に毛ジラミサイズの良心をちくちくと痛めながら、リッカは考えた。
そうしているうちに青年は令嬢に向き直る。>>232
どうやらマダムの部屋に用事があるらしく。
そしてその彼のために、明日ならば鍵を開けて中に入ってもいいと令嬢は言う。
「X城の思い出」のある、マダムの部屋に。]
……っそれは、
[私もお邪魔してよろしいですか!?
そう聞こうとして口を開くより先に、令嬢からのお誘い。>>241]
(32) 2016/08/02(Tue) 18時半頃