[己の能力を話した時、否が応でも父の顔を思い出し、複雑な想いを抱くのだが、顔には出さず。
さり気ない質問をし返ってきた答えは、発狂して死ぬ、と>>20。
不死者なのに死ぬとは何とも言えない皮肉だが、先の見えぬ苦難に不安を抱いていたら、肩を叩かれた。
此方を期待してる言葉に、犬は三白眼を大きく開き、尻尾をゆさりゆさりと振る。
決意を胸にし、首筋を晒せば――笑われてしまった!!>>21]
――っ、おいっ!
今契約するんじゃなかったのか!?
くっそ、俺はそうだと思ったぞ。
[顔が熱くて、荒っぽく頭を掻いてから、ふい、とそっぽを向けば、襟を直された。
ノストの視線が此方の首筋を見、尋ねてきたのは父親の話。
瞬時に顔色が変わって、眉間に皺を寄せはするが、牙を剥ける事は無かった。
三白眼を伏せつつ、大きく吐息を吐いたら、床に座り込み胡座を掻く。]
――……俺は父親が、大っ嫌いだ。
[真剣に見つめる吸血鬼に語るのは父親に対しての想い。
ぐっと握り拳を作り、語るのは己の出自、過去。]
(32) 2015/08/05(Wed) 18時半頃