【人】 酸味探し ドリベル

[そんな玲華の腕を捉える冬>>21を視界に入れつつ歩み寄れば、不安げなゆりの顔>>24がよく見えた。]

　――…やっぱり待ち切れなくて、迎えに来ちゃったぁ。

[そんな彼女に、へらりと笑って。
動けないでいる彼女に手を伸ばし、玲華から奪い取るように少し強引に引き寄せる。

涙に濡れる彼女の頬を手で拭い、困ったように呟く。]

　……泣くくらいなら逃げちゃえばよかったのに。

[玲華から――もしくは自分《飛鳥》から。
少なくとも彼女が泣くほど胸を痛める必要なんて無い筈なのに。

それでも結局今こうして泣いている彼女の頭を、ゆっくりと労わる手付きで撫でた。*]

(31) shiraha 2015/01/24(Sat) 01時半頃