やだっ!だって、なんで……!なんで、血が……ッ!
[頭の中がまっしろになって、声が裏返った。がたがたと震える体を抑えようとしても、頭が働かない。悲鳴交じりに声をあげながら、気付いてしまった。
その、マネキンが着ている服、は。]
ふ、ふうこ、ちゃん
[真っ白な顔色になりながら、…の口からはもう悲鳴も出なかった。恐怖が通り超えて、絶望になりつつある。
どうしてこんな所に、死人がいるの。
マネキンであるとわかっていながら、…はそれが相馬の死体であるとしか思えなかった。口を両手で押さえながら、見開かれた両目からはぼろぼろと涙が落ちる。
息がうまくできない。ひっ、ひっ、と、断続的に息を吸ってしまう。
そんなパニックに陥った…の肩をそっと抱き寄せる七尾に気付くまでに、少し時間を要した。>>27
それでも無意識にそれを感じ取っていたみたいで、少しづつ、呼吸が元に戻る。涙をぬぐう事もしないまま、七尾にしがみついてがたがたと肩を震わせた。]
あけみちゃん、あれ、ふうこちゃん、なんで、なんでしんでるの
(31) 2015/06/22(Mon) 01時頃