220 ナラティブの木


【人】 紅客連盟 イスルギ

[渡された鍵をひとつひとつ、レンズの向こうで確かめた。
滞在日数は短くはない、一番長い付き合いになるだろう存在だ。
何度目かの復習の後、シャツのポケットに仕舞い込む。

——ぼやけた視野に、ブラウンのグラスが現れたのは、そんなタイミングか>>17]

 ありがとうございます

[顔を上げるとオーナーの顔も当然ぼけていたから、
ブリッジを押し上げたのちにまた軽く頭を下げた。

遠慮なくグラスに手を伸ばす、指先が冷える感覚がたまらない。
暑さによって奪われたカロリーを取り戻すかのように、大きくあおったのだけれど]

 ん、? おいしい

[てっきり市販のアイスココアが出されると思っていた。
それが予想以上にココアとチョコの色濃いアイスドリンクだったから、思わずグラスから唇を離す。
舌触りよく、それでいてコクがある。
これは一気に飲んでしまうのは勿体無い。]

(31) 2017/07/05(Wed) 00時頃

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