[八つ当たりめいてまくし立てた言葉は、首を傾げるその子>>23に関係があるはずもない。
だから、伝わらなかったのは仕方がない――むしろ安心すら、したけれど。]
――…ぅ、
いい、…んだよ、おれは。
[邪気の無い言葉>>24はその柔らかさゆえに、するりと入り込んで胸に刺さる。痛い。
顎を上げれば見える髪は、やっぱり眩しい。…痛い。
子供の言うことくらい、素直に頷いておけば良かった、なんて、そんな事を考えていたから。]
……な、ちょ…っ、
ぁ、……あー…、はあ。
[ごく自然に、するりと伸びかけた腕に、大袈裟に目を見開いてから――思わず身を引いた。
彼が途中で気付いたようでも、まるまる1人ぶん。距離を取って、息を吐く。
『子供』に、何を大仰に身構えているのだろうとも、思うけれど。
子供の無邪気さは、時にひどく恐ろしい。
伸ばされた腕が好意からの物だとは、どうしても思えないまま。]
(31) 2015/04/05(Sun) 22時頃