なんだか、もったいないですよねぇ。
[遅い朝食を摂りながら、ソフィアは溜息をつく。
それは、元から置かれていたピアノのこと。調律は、業者に頼んでしてもらったものの、ソフィアはあまり弾けない。せいぜい指一本で主旋律をたどたどしく弾くのが精一杯だ。沢山の楽譜も宝の持ち腐れである。たまの挑戦が、町の子供達に戦慄を与えているのを彼女は知らない。]
誰かに習ってみようかしら?格安で教えてくれる人、いるといいなぁ。
いっそ、昔読んだ物語みたいに、
ピアノ好きな子が練習しにきてくれたらいいのにね。
[ここには気むずかしい老人はいないから無理かしら。なんて軽口を叩きながら、]
あ、もうすぐウェーズリーさんが配達に来る時間だわ。
そろそろペラジーからお返事来る頃なのよね。
[時計を確認すると、急にそわそわしはじめた。
配達の度に、お礼にと手渡すクッキーやキャンディーの準備をするため、立ち上がりつつ、兄の方を見、]
…兄さん、いつも言ってるでしょ。そんなにジャムを塗っちゃだめ。
もぅ!そんな顔しても駄ー目ー!
(30) utatane 2010/09/30(Thu) 19時半頃