[関ノ原東方の草原を南へと駆けるうち、まず出会したのは、隅慈の寄越した使いだった。>>2
はじめは警戒示し、刀に手をかけようともしたが、友軍と知ればすぐに手は引かれ、歩も一旦止まることになる。]
……そりゃわざわざ。
ご苦労だったな。
[隅慈は西国の雄、本当に東軍につくのかという疑念が全くないわけではないが、使い相手に今それを出しても無意味なこと。
ここは労いをかけておく。]
で、何だ、指揮をとるっていう娘の玉愛ってのは……
[>>0:131確か、数年前、縁談を蹴ってくれた姫の名だ。
臣下にも聞いてみたが、やはりそれで間違いない。
後日使いが、詫びの品とともに平謝りにきたのだが、あの時面会に出たのは本物のほうだ。
物腰柔らかい、ともすれば頼りなくも見えるだろう相手を、使いは、その後姫にどう伝えたか。]
(30) 2015/05/18(Mon) 02時半頃