[桜庭ともこうして、敵だというだけで。
…初日は、ゆっくり刑務所の話でもできたらなんて思っていたのに。
でも。自分も、桜庭も。この島で得たものは…大きかったのだろう。
だから今ここで戦いをやめようとは互いに思っていないのだと考えて、相手も同じかと自嘲する。]
皆…どんな理由があれ……
…自分の都合を貫こうと、必死、なのさ。
[一方的な都合、には少し笑いながら。
立ち上がり、構えた時に見えたのは、桜庭から向けられる銃口。
銃を相手する時の仲間からの助言を思い出したけれど、思わず、場にそぐわぬ苦笑が零れた。]
銃との直接戦闘は、避けろなん、…て…
役に立たない、アドバイス、だよ、ほんと…
[自分が持っているもので銃を防げるものなどあっただろうか。
持ち物は、金属製のジッポライターと、刃を拭く用の萱草編みが懐に入っているのみ。]
(29) 2015/03/14(Sat) 15時頃