――現在:体育館――
あ、ぁ…っ!
[目の前の光景を、頭の中の彼女の姿が、重なる。
表情は青ざめ、身体はがくがくと震えてしまってた。
月詠ががくりと座りこんでしまっている>>14ことにも、気づかない。]
ご、ごめん、なさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ…!
[頭の何処かでは違うと分かっているはずなのに、目の前の光景と一か月前の出来事を混同させてしまい、ひらすら謝罪の言葉を口にしながら後ずさる。
その死体じみた何かを、見ていられない。このままじゃ、きっと、わたしは、だめになってしまう。
しっかりしなきゃいけないのに。さっきの音は大きかったから、すぐにでも皆来てしまうかもしれない。
こんなものを見たくない。こんな私を見せたくない。
混乱した思考のまま、そんな思いから――体育館に背を向けて、反対方向へと走り出した。]
(29) 2015/07/08(Wed) 01時頃