[門を潜れば、鼻に様々な匂いがついてきて、ぽつり。]
うわ、すっげぇな、ここ。
[父親の様に濃い魔力の匂いが其処ら中に満ちていて、思わず手で鼻を摘んだ。
とはいえ、鼻摘んだままでいるのも些か疲れるので、程なくしてから手を離す。
ちらりと光が飛んだ様な気配がしたのか見遣れど気の所為で>>12、此方から見た時は黄金の月だけが見えていただけ。
ふと、門の方から強い魔力の匂いがして、振り向けば、何かが伺っていた>>21。
露骨に何だこいつは、と言わんばかりに眉間に皺を寄せ、尻尾をふるりと震わせ毛を立たせた。]
……こっち見んな。
[礼儀など知らない青年は、喉を鳴らせ軽い威嚇をしてみるが、門柱の上に居る青年はどんな反応を示すか。
近くには、別の匂い>>22。首の無い騎士からは、慣れた死の匂いの様なして更に仏頂面を見せる。
あぁ、冥府の番をする父親が放つ死の香と同じで、つい警戒してしまう。
じりじりと門柱に居る青年と、兜を持つ青年から距離を取り、じっと見据えていた。]
(29) 2015/07/29(Wed) 23時半頃