―Xday-3day・AM1:00過ぎ・ハルヒラシティ内路上―
[展開していたディスプレイを閉じて視線を馳せた先、唐突に此方へと向かってくる少女――恐らくは自分と同年代の――に気圧されたように後退った。背後に衝撃と金属音を感じたのは、恐らくもう閉店した店舗のシャッターだろう。
けれど痛みよりも何よりも、彼女の口から飛び出したその言葉が晶の鼓動を跳ねさせた]
え…あ、うん。言った、けど…って、え?
君もなの?
[知らず囁くような声音になっていた理由は自分でも良く分からない。
けれど、これは『とてもすごい秘密』だ。
うっかり口にしたら幻のように消えてしまうかもしれない、根拠もなくそう思う。
目の前に立つ彼女の姿を頭から爪先まで眺め、緊張に詰めていた息を逃す。
多分、大丈夫――なんとなく、だけれど、でも用心は必要。
だから晶はとっておきの笑みを浮かべる。悪夢の中の少女のような愛らしい、けれど多分よそ行きの笑みを]
取り敢えずどこかお店にでも行かない?
ここだと…誰が聞いてるかわかんないもん。ね?
(29) 2014/03/11(Tue) 07時頃