[恐らくベネットがまだ言葉を取り戻していない頃。
何もかも捨てて生きるように、そうドクトルの手紙に書いてあったけれど、
1度だけ、のつもりで母に電話をかけた。携帯は寮に置いたままなので、病院の公衆電話から。]
お母さん?私よ、ソフィア。
ふふっ、びっくりした?生きているよ。
もうね、戻れないけど、元気だから。
一人じゃないのよ、だから、心配しないで。
今まで、ありがとう。
[亡霊扱いでも、俺俺詐欺と思われても構わない、そんな気持ちでかけた電話。けれど、母から、まるで誘拐犯の身代金の引き渡し場所のような所に来るように言われて、何度も危険だからと断ったけれど、必死な様子が伝わってきたので、こっそりと会いにいった。そこで、まさに誘拐…(ryな手段で大金の入ったリュックを手渡されー正確には投げつけられてた。
添えられた手紙には、「結婚資金用にと貯めていたお金だから好きに使っていい、遠くの星へ嫁にやったと思うことにする。どうか生きて、幸せに。」と。
手紙は涙で酷いことになってしまったけれど、
ロケットと共に大切な宝物になった。]
(28) utatane 2010/09/30(Thu) 19時半頃