31 グロい村


【人】 釣り師 ヌマタロウ

わんこぉ

[死人のように冷たい体から、吐き出される腸と血の塊は熱い
まともに被り、老人は呆けたように呟いた
だんだん視界がぼうとなり、折り重なるように狗の傍に倒れた
背中には老人の脚が突き刺さった狗と狗の腸を被った老人が
目覚めたときには、白衣の男の姿はなかった]


くすりぃ、逃げよった。わんこぉ、さがさんといかんのぉ。

[その言葉を狗が理解できたかどうかはわからないが
老人は未だ片足のまま、ずるずると体を引き摺り くすりを 捜す]

ほかん肉も探さんと…
女ァ どこぉいった。

[ふと、きょろりとあたりを見回す
頭の中、ずっと聞こえていた声がひとつ 消えた**]

(28) 2011/05/18(Wed) 05時頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】