―朝・ミサ前―
[バサバサと、鳥の羽ばたくような音がやけに騒々しく聞こえる朝。
小さく呻き声を一つ漏らし、眉間に皺を寄せつつ睫毛を持ち上げれば、視線の先にあるのは自身の腕。
部屋に差し込む光と昨日身に着けていたシャツの袖口を視界に入れれば、着替えもせずに意識を手放してしまったことを悟る。
すっかり皺の後がついたシャツの袖口を眺めること数秒。
緩慢な動きで起き上がれば、何やら部屋の外がざわついているように感じられて。
姿見を使うこともなく、手櫛でくせ毛を押さえながら扉を開け外の様子を窺うように顔を覗かせただろう。]
…朝から何の騒ぎだよ、全く。
[眠りを邪魔されたことから何処か不機嫌にそう呟いて。廊下を歩く誰かの姿を見かければ、この騒音の元を聞いたか。
見かけなければ顔くらいは何とかしようと自室へ一度踵を返しただろう。]**
(28) 2014/06/23(Mon) 14時半頃