見せてくれてありがとう。
それじゃあ、私の宝物も見せるね。
[美しいものを見せて貰った喜びに舞い上がる。
そうして巾着から取り出したのは、大きさで言えば人の眼球ほどの2つの珠。
白っぽいのと黒っぽいのと差はあれど、真珠のように輝いている。
そのうちの白い方を彼女の手のひらに乗せてみる。]
私ね、自分が蛇の妖だって知ってるんだけど、今のこの娘に取り憑く前の記憶が曖昧なの。
この珠は昔から持ってた事は分かるんだけど、物知り爺に聞いたら、
「お前の妖力にしては不相応なものを持っている。」
「譲られたか、盗ったか、何れにせよこれが扱えるのなら、お前は蛟の眷属だろう。」
って言ってたの。
だから身を守る為に大事にしないさいって。
[彼女に渡した珠から透明な水がしゅるりと立ち登り、珠へと引っ込んだ*]
(28) 2018/11/08(Thu) 13時頃