―201X年3月21日・正午過ぎ・白鵬高校購買部―
[蒼真のキャラ弁>>22の素晴らしさにはいつも驚かされていたけれど、躊躇いなくそれを腹に収める蒼真にも驚くばかりだった。
食べ物は食べ物、だから当たり前なのかもしれないけれど、絵描きの端くれとしてはどうにもムズムズするのだ。
階段を降りて1階の購買部に向かう合間にも会話は続いていた。
また覗き込まれるのは癪だったから、二段程先を駆け下りる、そんな足取り]
あー、ハイハイ。
そっちは俺興味ないから聞いても意味なさそうだな。
……もう少し大きいのにしてくれって頼めばいいのに。
[辿り着いた購買部は終業式にも関わらずそれなりの人集りだった。
みんな大好きかつサンドは既に売り切れの様相。
値段の割にボリューミーなそれは男子高校生の胃袋を掴んで離さないだけに、争奪戦が繰り広げられているのだ。
仕方ないと諦めて、群がる生徒を掻き分けてパンの前へと進み出た]
(27) 2015/03/29(Sun) 00時頃