―5月7日夕方16時頃 街外れの空き地―
>>25
[《猫さん、猫さん、何してるの?》と問うた声に反応し、顔を上げる。]
?……なぁご……
[あっけに取られ、意味のある言葉を発するまでは、しばらくかかった。とはいえ、「猫」と言われたからには、最近やっていなかった「挨拶」をしてみることにした。
その間に、訪れたものに対し、軽く鼻を鳴らす……容姿は完全に女性だが、僅かに感じる匂いは男性のそれだ。まあ、そういう者も居る。深夜の街中で餌を食べる猫に興味のある者、女性に興味のない男。いろいろだ。
……いやそれ以前に、この人には見覚えが……と思い、記憶を辿る。(少なくとも自分にとっては)大きなお金をぽんと置いていった人物(>>0:71)のそれだ。]
あなたは……あの、覚えていないかもしれませんが……あの時は、ありがとう、ございました。
[あの頃自分は困窮していた。今ももちろん裕福とは言わないが……
その時の自分にとっては、露蝶が置いていった金額は、困窮を脱出してなお有り余るものだった。彼が現れなかったなら、自分は今生きていたかどうかも怪しい。
それはそれとして一度置いて、相手の「何をしているか」という問に答え出す。]
(26) 2013/08/01(Thu) 09時半頃