―→川―
[笛鳥は、部屋に戻っただろうか。
其れでも未だ拘束していたら悪い、と思いながらも、館へ戻る気はしない。どうしても、昨日の事を思い出してしまう。謝ってなんて要らない。唯。一体、誰が。]
(笛鳥を、泣かせた…?)
[其れだけが許せなくて。別に彼に対して感情を抱いて勝手に落ち込んだり浮かれたりするのは自分だからまだ良い。其れでも、彼を傷付けるのだけは許せなかった。自分が、テラスでの一件で彼を落ち込ませた事は違和感だけ悟っても詳しい事は知る由も無く。
彷徨う様に外を歩めば、川の方へと何時の間にか辿り着いていた。其処には、一つの影>>16。]
……薫?
[靴を脱いで、川へと踏み込む姿の其の心情に気付く事も無く、未だ冷たいだろう、なんて思いながら、其の名と聞こえるか聞こえないか分からないくらいの名で呼んだ。]
(26) 2014/04/12(Sat) 12時頃