ちょ……ルーカス!?
[取り乱した様子で去って行く背>>8を見つめ、大声をあげる。
灼熱地獄って、この寒空の下で?それなら、もう10枚くらいコートを持ってきてくれないとと心で突っ込みを入れる。
後味の悪さが胸に残る。苛めたつもりではないが、どうしても譲れなかった。
仕方ないこととは言え、もう少し大人になればよかったと内心で舌打ちする。
コートを着たまま立ち上がり、ぼんやりと夜空を見上げる。]
このコート、どうしよう…。
[温い。本当に温い。それだけのことでも彼が家族に大切に思われているのだと感じて、溜め息を一つ。
流石にあげると言われたものでもないし、貰うわけにもいかないから、すぐに脱ぐ。
どこかで、自分もまた頑なになっているのかもしれない。]
明日、謝らなきゃ。
[彼は絶対に謝らない気がした。納得できない思いはあっても、明日には忘れられる。忘れるようにする。彼もまた忘れてくれているといい。
寒空に身を晒しつつ、コートを手にとぼとぼと家に帰った。**]
(26) 2013/12/08(Sun) 01時頃