―異変が起こる前―
[自分の眼で見たもの以外は"真実"だとは思えない。
そういう考え方をしてしまうのは、きっと子供だから。
でも、テレビとか映画とか、そんなものが身近にある生活をしていたせいか――、
自分が未だ見たことのないそれらを遠いネバーランドの話と同列くらいに、非現実的なものとして捉えていた。
彼女の考えている世界の端の答え>>10など、頭の片隅にも存在していない。]
もちろんー。
おじさんにも、おねーさんにも、
ぜったい、ぜーったいおしえるからねー!
[だからこそ。
何も考えずにうん、うん、と親指をぐっと立てて答える。
深く考えたって答えに辿り着ける訳じゃない。
それに、考えて道を探せるほど賢いわけでもないのだ。
だから、今は、さっき会ったばかりのおねーさんと新しい約束>>11を交わして楽しければ、
ただそれでいいじゃないか、と。]
(26) 2016/08/14(Sun) 14時頃