またお会いしましたね、セシル、さん
その・・・見事な食べっぷり、でした
[ 皮肉のつもりでも嫌味のつもりでもないが、彼に
どう伝わったかはわからない。整った無表情との差異に
戸惑いはするものの、応接間よりも明るく聞こえた彼の声色は、警告色を若干淡くした。
ただし警告色は警告色。
首を傾げる彼がつけている仮面など知る由もなく、
オーレリアはにこり、とこちらも普段周囲に向けている
ような微笑みの仮面で対応した。>>20]
・・・「覚え」のことですか?
大した話ではないのです。
知り合いに、少々。なんとなくの話ですから
[ 指輪を撫でる。約束していたのにあんまりな返答だとオーレリア自身も思う。
しかし話したところで信用されるのか、そして話せるほど信用できるのか。考えても答えは否だった。
「ご馳走様でした。少し風にあたってきます」と席を
立ち、お辞儀をして食堂を出ようとした。]**
(26) 2016/07/29(Fri) 04時頃