[宮殿内を散策してる途中にも、時折刺さるような視線を感じた。
女王陛下から招待を受けた証を刺繍した腕章がなければ、途中すれ違う者たちの視線は、もっと冷ややかなものであったことだろう。
今更ながら、随分と無理な条件をつけてきたものだ。
長老たちはよっぽど自分たちが蒐集した魔法技術と心中したいらしい]
(僕らとしては、そんなことは真っ平御免なんだがな……)
[魔術や知識等というものは、民のために使わなければ意味がない。
もしも自分たちの魔術をエルヴィニア用いることができたなら、今回のように国の存亡に関わるような事態に陥ることも、異世界から人間を召喚することもなかったかもしれない。
考えても、詮無いことではあるけれど。
本日何度目かの溜息の後。
廊下を暫く歩いていると、とある部屋を見つけた。
何やら困惑した様子で話しているその部屋のエルフたちに話を聞けば、女王によって召喚された異世界の少女が此方の用意した衣装を召してくれないとのこと>>11]
(26) 2018/11/24(Sat) 23時頃