―5月7日夕方16時頃 街外れの空き地―
[身支度を整えて暫く歩き回ったものの、特に成果も上げられぬまま随分傾いた太陽を見やって、溜息一つ。
随分溜め息が多くなったと、ほんの少しの自嘲と共に意識を思考へ向ける。半ば思考遊びのようになった、決断の出ない考え事。
目的の無いままに動かした脚は、気が付けば随分町の中心部から外れていたようで。本当に無意味にするのも少し癪で辺りを見渡した視線は、特徴的な二本の『耳』>>23を捉えた]
――……、…猫さん、猫さん、何してるの?
[声をかけながら、野良猫にするように、刺激しないようにとのんびり、ゆっくり歩みを其方へ向けた。彼女しか周りに人影は見えぬものの、特徴の1つは隠した方が良いだろうと不慣れな訛りは消して声をかける。
知己と言う程彼女の事は知らなかった。恐らく、一方的に知るばかりであろう。そう言えば人としての名前も知らなかったなと、改めて思う]
(25) 2013/08/01(Thu) 08時半頃