[真っ二つの会衆席。深い深い穴の空いた床。
あると思っていたイエスの像はどこにもなく。
サングラスを外して。椅子に顔を近づけたりしてその惨状を確認しながら、穴の近くまで行って覗き込もうとしたけれど。
指で探ったその穴の深さは自分の身長をゆうに越えていて、落っこちそうだなあと考え直して、自分からは近づかないことにして。]
手は、もう大丈夫さ。
「くるくる」さえ怠らなきゃ歩けるから。
[左手を軽く握る。ずっと握っていてくれたからか、ルーのいない寂しさはだいぶ和らいだように感じられた。
連れてきてくれてありがとな、と笑うと。
天井に近い大きな窓を指差して]
あれが、そう?
[それが教会のステンドグラスかと、あまり見えない目を輝かせて。そうだと言われれば、なるべく近くに寄って見ようとしただろう。]
(25) 2014/12/12(Fri) 17時半頃