― 回想・車内にて ―
[気まず気に問うたそれへの返答>>17に、胸に浮かぶのは小さな安堵。
とはいえ駄目と言われても今更席を変わるのも億劫ではあったから、最初からあまり退くつもりは無かった事は一応秘密にしておこう。]
人の運転している車ではたまに酔うが、まぁ平気だろう。
………ん、あぁ。ありがとう。
でも大丈夫だ、後で運転を変わるかもしれないから。
[運転を申し出たのも、そんな理由があるからで。
そうしてガサゴソと荷物を漁り差し出された酔い止めは、寸時瞬きを繰り返すも苦笑と共にやんわりと押し返しておく。
後々運転を変わる時に、薬を飲んでいたら運転を変わる事が出来ないから。
だから薬の代わりにタブレット菓子を一粒口に放り、気を使ってくれた礼にと樫木の方にも差し出してみれば、彼は手を出してくれただろうか。
俺よりも歳は若かった筈だが、所属年数は俺よりも長かったと記憶している。
そのせいか、この旅にも慣れた雰囲気を出している樫木にはまたひとつ小さな羨望を。]
(25) 2015/11/20(Fri) 04時頃