187 お狐祭り村


【人】 学園特警 ケイイチ

[たまこは睡眠薬の注射を快く受け入れた。
用意された敷布団で膝枕をされ頭をなでられて、たまこの目がとろんとしてきている。
真弓に努力や団子の味を褒められると彼女はくすぐったそうに笑っていた。

あとはたまこが死ぬのを待つだけ。
静かな時間だった。真弓の柔らかい声と、たまこの息遣い。
夢や幻にいるよう。優しい光景だ。
待ち時間も、全く苦ではなかった。

朝、渚に言われたことを思う。
この中に誘拐犯がいるかもしれない。
村内お祭りムード一色のなかで、そうまで非協力的なやつなんて居たら浮きそうなものだが、仮にこの中に居るということなら祭りにもノリを合わせていて、遥香達のことに関しても話をあわせている、という事になる。
たまこをみても、死ぬ前に化けの皮が剥がれる……なんて事は当然ない。そんな素振りはまったく見えずに、ほっとする。


酒匂篤胤同様に、団子屋たまこの魂は、
この村の『村人』らしく、神様に捧げられたようだ。]

(24) 2016/04/05(Tue) 07時半頃

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