あら、やはり貴女、ここの種族ではありませんでしたのね。
陛下がお呼びになった人間という事かしら。
貴女のような子が、ねえ……
[上から下までざっくりと眺めて、はたと気づいたように一礼した]
これは、不躾に失礼いたしましたわ。
ええ、私は人間ではありませんでしてよ。
ここには貴女達以外に人間はおりませんもの。
私はエルヴィニアを治めるエルフの貴族…と言っても、貴女達は彼方から来たと聞いておりますから、何の事やらわかりはしないかもしれませんけれど。
[豊満な肢体を包むドレスの上、頭の両側には尖った耳がついている。それが他でもない、エルフの徴。困ったような仕草を見せる少女をもう一度見て、少々考え、また口を開いた]
そう言えば、着替えてはおりませんのね。
……まあ、良いですわ。私にはそうは思えませんけれど、彼方ではそれが正装なのかもしれませんし。
貴女を歓待する宴が間もなく始まるでしょうから、恥ずかしくない格好であれば良いのよ。
そうね、貴女が呼ばれたわけは、誰かから説明があるでしょうけれど。
(24) 2018/11/24(Sat) 22時半頃