─ →キネーン・広場 ─
のびのびできるところ、太陽の、下──
[聖女の言葉を繰り返し。取り敢えずは、出逢ったところ、広場だろうか。
相変わらず人通りは多いので、のびのびできるかと言えばこどもは未だしもおとなは心配ごとも増えるというもの。また、あの活発なおんなのこであれば、何処であってものびのびと走り回っていそうな印象ではあった。目的地の定まらない旅に御者を付き合わせて、取り合えず、なんて曖昧に行き先を決めて。
今日もまた、天気が良い。
歌を口ずさむ淑女と共に、キネーン広場の地を踏む。]
…彼等も探しているのなら、出会った周辺を探しそうなものだけれど、
[聖女の灰と街並みを見比べながら、自然と学者の足は彼等と辿った道を進む。
──走ったんだったなあ、なんて遠い昔のように思いながら。離れていくちいさなふたつの背中、この人混みだと未だ少し、恐ろしくある。
此処のところ身体を酷使してばかりだ。もう忘れ去っていたはずの捻った足音、幻痛さえ覚えて。]
(23) 2015/09/25(Fri) 18時頃