[ ――すると、扉の向こうから呼びかける声。>>17
誰か、なんてことはすぐにわかった。なにせここには女は自分とあともう一人しかいないのだから。
覗き見るために少しだけ開いていた扉の隙間から外の様子を伺ってみれば、そこにはやはり、黒髪の女がいた。]
…………。
[ 妬む少女は疑った。
自分の髪の毛を綺麗に整えてくれるというこの女は、果たして何が目的でここへやってきたのだろうかと。
しかし妬む少女はその申し出を嬉しくも思ったのだった。ああ、やはり自分は愛されるべき存在なのだろうと改めて認識して。]
そう?……そうね、じゃあお願いしようかしら。
[扉をまた少し開き、黒髪の女を招き入れた。そして部屋の中へ入らせずに、扉の所でやり取りをしたことだろう。]
……あなたは、あの死体が平気なのね。
あの死体を乗り越えて、資料室?に入っていくのが見えたわ。そして出てきてから、あなたが自分の部屋へと引っ込むところもね。
その手に持っている書類はなあに?
(23) 2016/02/25(Thu) 18時頃