― 玄関 ―
[エリアスは、青白い顔をして、床にぐったりと倒れこんでいて、名前を呼んでも目をとじたままだった。
玄関から吹き込んでくる雪が嫌味に感じる位に彼の顔は真っ白なのに、口についている血だけが妙に赤々としていて、ムパムピスは、酷く、こわいと感じていた。
助けを呼んで、誰かに来て貰ったのだったか、それとも、玄関の方へ駆け出したエリアスを、一緒に追ってきた人が居たのだったか、動転していたから、流れは、はっきりと思い出せない。
雪と風が吹き込んできていたから、肩で押すようにして玄関の扉を閉めた。
もしかすると、クラリッサが外に出たかもしれないのに、閉めた。雪の中でひとりぼっち、と言っていたのが、耳にこびり付いたままで、とれない。]
どうしよう、とりあえず、あったかいところに
[ムパムピスは、エリアスを背負った。]
(22) 2013/02/07(Thu) 11時半頃