─ 翌朝 ─
[何時に起きようと、何時に出ようと空港まで走るバスの到着時間は変わらず、多少もたついても間に合うように1時間前をだいたいのチェックアウト時間としている。
来た時と同じく、呪文のように同じ言葉を繰り返す。明日も明後日も、誰かが訪れ去っていく数と等しく。
昨夜もバーにて酒をたらふく飲んだ髭の紳士ことオズワルドは、今朝もぱりっと立派な佇まいだった。朝食と共にさりげあく見送る客へ>>2>>9>>21の会釈もスマートで、彼と同じ歳になる頃には俺もあんな落ち着きが身に着くだろうかと想像してみる。無理だ。中性脂肪の癒着した姿しか思い浮かばない。
彼らよりやや早くここを出たレモン水男子は昨日辛子明太子になったのだったか。野沢菜といいいこれは明日の食事へのリクエストかと、雨の中車を走らせた記憶を振り返ることで、やや無理を感じるイメチェンに吹き出すのを堪えた。
ちなみに今朝用意したおにぎりの具はその二種類プラス。
昨年漬けた残りの梅干しと、塩こんぶ、ただの塩と海苔。]
(22) 2017/07/10(Mon) 20時半頃